BAND WAGON 砂の女/鈴木茂 [鈴木茂]
はっぴいえんど解散後、細野晴臣氏らとキャラメル・ママを結成、ティン・パン・アレーへと発展させた最中、1975年、単身渡米、リトル・フィート、サンタナ、タワー・オブ・パワー、スライ&ファミリー・ストーンのメンバー等を集め製作した鈴木茂氏のファーストソロアルバム、ロサンゼルス録音の「BAND WAGON」。A面1曲目「砂の女」。
1975年というとユーミン、荒井由実さんの「COBALT HOUR」(コバルト・アワー)の録音に参加されてる頃とはいえ、ユーミン突然の!商業的大ブレイクは同年夏の、ばんばんに楽曲を提供した「いちご白書をもう一度」の大ヒット、10月発売のティン・パン・アレーが演奏している「あの日に帰りたい」(コーラスは赤い鳥、ハイファイセットの山本潤子さん、吉田美奈子さん、シュガーベイブ)の、ユーミン初の!大ヒットから1976年ですから、それほど当時、海外に渡って海外のミュージシャン達を集めてレコーディングが簡単にできるほど、鈴木茂氏の資金繰りが極めて順調だったとは思えませんので(当時は鈴木茂氏に限りませんが)、よくぞあの時代にアメリカに渡って製作されたアルバムだと、今も感心する1枚であります。
勿論,当時のマスメディアですから、このアルバムが大々的に話題にされる事もなく、オリコンチャート何位とかになるようなヒット曲でも「砂の女」はなく、プレイヤー、音楽関係者、コアな音楽ファンの間の口コミで、じわじわとロングヒットを続けた、当時はかなり珍しかったアメリカ録音の、名アルバムでございます。